営業利益：会社の真の実力を測る

営業利益：会社の真の実力を測る

営業利益とは

商売でどれくらい儲けたかを示す大切な数字、それが営業利益です。会社は色々な活動でお金を得ますが、中心となる普段の商売で得た利益のことです。
例えば、お店で物を売る会社なら、物を売って得たお金から、仕入れ値やお店を運営するための人件費、家賃、光熱費などを引いたものが営業利益です。工場で物を作り、それを売る会社なら、物を売って得たお金から、材料費や工場を動かすための人件費、光熱費などを引いたものが営業利益です。
この営業利益を見ることで、その会社がしっかりと商売できているか、儲かる仕組みを作れているかが分かります。いくら売上が多くても、費用がかかりすぎて利益が出ていない会社もあります。売上だけでなく、営業利益を見ることで、その会社の本当の力が見えてきます。
営業利益は、会社の本当の稼ぐ力を示す重要な指標と言えるでしょう。なぜなら、営業外損益と呼ばれる、本業以外の活動で発生した利益や費用は含まれていないからです。例えば、土地や建物を売却して得た利益や、災害による損失などは、普段の商売とは関係ありません。これらの特別な利益や費用を除いた、純粋に本業でどれだけ稼いでいるかを示すのが営業利益なのです。
高い営業利益を継続的に出せる会社は、強い競争力を持っていると言えます。良い商品やサービスを提供し、効率的な経営を行っている証拠です。また、将来の成長への投資や、新たな事業展開にも積極的に取り組むことができると考えられます。反対に、営業利益が低い、あるいは赤字の会社は、本業での収益力に問題がある可能性があります。競争力の強化や、費用削減などの対策が必要となるでしょう。
このように、営業利益を見ることで、会社の現状を正しく理解し、将来性を評価することができます。

計算方法

商売でどれくらい儲けているのかを知るには、売上だけでなく、様々な費用も考慮する必要があります。その儲けを表す指標の一つが「営業利益」です。営業利益とは、本業でどれだけの利益をあげられたかを示す重要な数値です。

営業利益を計算するには、まず「売上高」を把握します。売上高とは、商品やサービスを売って得たお金の合計です。次に、商品を仕入れたり、製造したりするためにかかった費用、つまり「売上原価」を計算します。例えば、工場で製品を作るのに必要な材料費や、お店で販売する商品の仕入れ値などがこれにあたります。

さらに、商品を売ったり、会社を運営したりするためにかかった費用も考慮する必要があります。これを「販売費および一般管理費」といいます。具体的には、従業員に支払う給料や、商品を宣伝するための広告費、オフィスの家賃などが含まれます。

営業利益は、売上高から売上原価と販売費および一般管理費を差し引くことで計算できます。売上高から、商品を作るのにかかったお金と、商品を売ったり会社を運営したりするのにかかったお金を引くわけです。

例えば、売上高が10億円、売上原価が5億円、販売費および一般管理費が3億円の場合を考えてみましょう。10億円から5億円を引くと5億円になり、さらにそこから3億円を引くと2億円になります。つまり、この場合の営業利益は2億円となります。この2億円が、本業で実際に稼いだ利益を表しています。

重要性

会社の儲けを測るものとして、営業利益はとても大切です。これは、会社の普段の商売でどれくらい儲けているかを示すからです。例えば、土地や株を売って得たお金は含みません。会社の本当の力を見るには、営業利益を見るのが一番です。

お金を出す人や銀行は、会社にお金を貸すか、株を買うかを決める時に、この営業利益をとても気にします。営業利益がいつも高い会社は、これからもしっかりと儲け続けられると考えられて、お金が集まりやすいのです。

会社自身にとっても、営業利益を調べることは役に立ちます。自分の会社はどこが得意で、どこが苦手なのかがわかるからです。例えば、ある商品がとても売れて儲けが出ているなら、もっとその商品に力を入れるべきです。逆に、ある部署にお金がかかりすぎているなら、使い方を見直す必要があります。このように、営業利益を分析することで、無駄をなくし、もっと効率的に会社を経営できるようになります。

営業利益は、会社の成績表のようなものです。成績が良いと、お金を貸してくれる人が増えたり、もっと良い仕事ができるようになったりします。だから、会社はいつも営業利益を高く保つように努力する必要があるのです。また、会社の儲けは、そこで働く人たちの給料や待遇にもつながります。みんなが豊かになるためにも、営業利益は欠かせないものです。

他の利益との違い

会社のお金の流れを理解するには、色々な種類の利益の違いを知る必要があります。よく耳にする「営業利益」「経常利益」「純利益」などは、それぞれ何を意味し、どのように違うのでしょうか。

まず「営業利益」は、会社の主な仕事でどれだけの儲けが出たかを示すものです。商品を売ったり、サービスを提供したりすることで得たお金から、その仕事にかかった費用を引いたものが営業利益です。会社の本当の稼ぐ力を示す重要な数字と言えます。

次に「経常利益」は、営業利益に加えて、会社の主な仕事以外の活動で得た利益や費用も含めたものです。例えば、銀行預金から得られる利息や、株の売買益などは「営業外収益」として扱われます。逆に、災害による損失や、株の売買損などは「営業外費用」となります。経常利益は、会社の主な仕事以外の活動も含めた、総合的な儲けを表す数字です。

最後に「純利益」は、経常利益に特別な利益や損失を加えて計算されます。会社の建物や土地などを売却して得た臨時的な利益は「特別利益」、災害による多額の損失などは「特別損失」として扱われます。純利益は、最終的に会社に残る利益であり、会社が自由に使えるお金の大きさを示しています。

このように、それぞれの利益は異なる意味を持ち、会社の経営状態を様々な角度から見せてくれます。これらの数字を比較し、時間とともにどのように変化しているかを見ることで、会社の収益構造や健全性をより深く理解することができます。特に、会社の主な仕事での稼ぐ力を見るには、営業利益に注目することが大切です。

活用事例

商売で得た儲けである営業利益は、会社をより良くするために様々な場面で使われます。たとえば、同じ仕事をしている他の会社と比べて、自分たちの会社の実力を測る物差しとして使えます。

過去の儲けの記録を振り返れば、会社の状態が良くなっているのか悪くなっているのか、これからどうなるのかを予想できます。

売上高と営業利益の関係を割合で示す営業利益率を計算すれば、儲けを出す力を測ることができ、より儲かるようにするために役立ちます。

他にも、営業利益を使って借金を返す力や新しい仕事に投資する力など、会社のお金の状態を細かく調べることができます。

また、従業員の給料や待遇を改善するために、営業利益の一部を使うこともあります。儲けを従業員に還元することで、やる気を高めたり、より良い仕事に繋げたりすることができます。

このように営業利益は、会社の状態を正しく知るための大切なものさしです。色々な角度から数字を見ることで、会社の今の状態をしっかりと理解し、これからの計画を立てるために役立ちます。