
会社のお金:内部留保とは?
会社が商品を売ったり、役務を提供してお金を得ます。そのお金から商品の仕入れ値や役務提供にかかった費用などを差し引いたものが利益と呼ばれるものです。この利益は、様々な用途に充てられます。まず、国や地方公共団体に収める税金を支払います。次に、会社にお金を出してくれた株主さんたちへ、配当金として利益の一部を還元します。また、会社の経営陣である役員さんたちへの報酬も、この利益から支払われます。これらの支払いをすべて済ませた後に、会社に残るお金のことを内部留保といいます。内部留保とは、いわば会社が将来のために積み立てているお金のようなものです。まるで私たちが将来に備えて貯金をするように、会社も様々な目的のために内部留保を積み立てているのです。
では、この内部留保は具体的にどのように使われるのでしょうか。一つは、新しい事業を始めるための資金です。例えば、これまでと全く異なる新しい商品を開発したり、新しい地域に進出したりする際に、このお金が使われます。また、工場に新しい機械を導入したり、事務所を移転したりといった設備投資にも、内部留保は欠かせません。さらに、従業員の待遇改善にも使われます。従業員の給料を上げたり、福利厚生を充実させたりすることで、より働きやすい環境を整えることができます。他にも、不景気に備えて備えとして蓄えておくこともあります。景気が悪くなると会社の売上も減ってしまうため、そのような時に備えて、あらかじめお金を確保しておく必要があるのです。このように、内部留保は会社の成長や安定のために重要な役割を果たしており、将来への投資として使われているのです。会社の経営者は、これらの様々な用途を考慮しながら、内部留保をどのように使うかを慎重に判断しています。