鍼灸

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医療・福祉

はり師・きゅう師:未来を描くキャリアパス

はり師ときゅう師は、東洋医学を土台とした治療家です。細い金属の針を用いた「はり」と、乾燥させたヨモギの葉を燃やす「きゅう」を用いて、患者さんの様々な痛みや不調を取り除き、健康の増進を手助けする仕事です。 「はり」は、髪の毛ほどの細さの金属製の針を体の特定の場所に刺すことで、体のエネルギーの流れを調整し、本来体が持つ治癒力を高める効果があります。肩や腰の凝り、神経の痛みなど、様々な体の不調に効果を発揮します。「きゅう」は、「もぐさ」と呼ばれる乾燥させたヨモギの葉を燃やし、その温熱で皮膚に刺激を与えることで、血の流れを良くし、痛みを和らげる効果があります。冷え性や生理痛など、特に女性に多い症状に効果的です。 患者さんの訴える症状は、肩や腰の凝り、神経痛、婦人科系の病気など、実に様々です。そのため、患者さん一人ひとりとじっくり向き合い、丁寧な問診や触診を通して、症状に合わせた施術の計画を立てることが何よりも大切です。はりときゅうは、単独で行うだけでなく、マッサージや整体などと組み合わせることで、より効果を高めることができます。 近年、西洋医学と組み合わせた治療や、病気にならないための予防医学への関心の高まりを受けて、はり師ときゅう師の活躍の場は、病院や治療院だけでなく、介護施設やスポーツジム、企業の健康管理など、ますます広がってきています。人々の健康に対する意識の変化、高齢化社会の進展などを背景に、はり師ときゅう師は、今後ますます需要が高まると考えられます。