
鋳物工:ものづくりの魂を形にする職人
金属を溶かして型に流し込み、様々な製品を作り出すのが鋳物工の仕事です。扱う金属は、鉄やアルミニウム、銅など、製品によって様々です。自動車の部品や機械の部品、芸術的な美術品まで、実に多くのものが鋳物工の技術によって作られています。
まず、製品の形や材質に合わせて型を作ります。砂で作る型や金属で作る型など、様々な種類があり、どの型を選ぶかは、製品の仕上がりを左右する重要なポイントです。型作りでは、精密さが求められます。少しでも誤差があると、完成品の品質に影響が出るため、細心の注意を払って作業を進めます。
次に、溶解炉と呼ばれる炉で金属を溶かします。金属が溶けて真っ赤な液体になったら、それを型に流し込みます。この時、温度の管理や液体の流れ方を調整することが非常に重要です。温度が高すぎても低すぎても、仕上がりに影響が出ますし、液体の流れ方が悪いと、製品に欠陥が生じる可能性があります。熟練の技術と経験が求められる、まさに腕の見せ所です。
金属が冷えて固まったら、型から製品を取り出します。そして、不要な部分を削ったり、表面を滑らかにしたりする仕上げ作業を行います。製品によっては、さらに熱を加えたり、色を塗ったりする作業が必要な場合もあります。
このように、鋳物工は製品の製造開始から完成まで、一連の工程を担っています。ものづくりの現場を支える、なくてはならない存在と言えるでしょう。最近は、立体印刷機のような新しい技術も使われるようになってきましたが、長年培ってきた鋳物工の技術と経験は、今でも高く評価されています。製品の品質を管理したり、製造工程をより良くしたりと、鋳物工の仕事は幅広い分野に広がっています。