
リース会計の基礎知識
会社を経営する上で、機械や設備、建物といった必要なものを手に入れる方法は、買う以外にも借りるという方法があります。この借りる方法をリースといいます。以前の会計のやり方では、リース契約の種類によって、帳簿に資産として記録するかどうかが変わっていました。例えば、実質的に買ったのとほぼ同じ契約である所有権移転外ファイナンスリースや所有権移転ファイナンスリースは資産として記録されていましたが、単なる借り物として扱うオペレーティングリースは資産として記録されませんでした。この違いによって、リース契約の実態が会社の財務状況を正しく表す帳簿にきちんと反映されない場合があり、会社の本当の財務状態を理解するのが難しいという問題がありました。
そこで、リース契約の内容をもっと分かりやすくし、異なる会社同士の財務状況を比較しやすくするために、新しいリース会計が導入されました。この新しいリース会計では、原則としてすべてのリース契約を資産として帳簿に記録するように定められています。これにより、会社の財務状況をより正確に把握できるようになります。具体的には、リース契約に基づいて使用している機械や設備などを、あたかも購入したかのように帳簿に「使用権資産」として計上します。それと同時に、リース料の支払いを将来の負債として「リース負債」として計上します。このように、資産と負債の両方を計上することで、会社の財務状況をより正確に表すことができ、投資家などにとって会社の財務内容を理解しやすくなります。また、すべてのリース契約を資産計上することで、企業間の財務状況の比較が容易になり、より公正な競争環境が促進されることが期待されます。従来の方法では、リース契約の内容が財務諸表に十分に反映されない場合があり、企業の財務リスクを正しく評価することが困難でした。新しいリース会計基準の導入によって、財務の透明性が向上し、企業の財務状況に関するより正確な情報を提供できるようになります。