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製造業

金型工:匠の技が未来を創る

ものづくりを支える重要な仕事である金型工は、身の回りの様々な製品の形を決める型を作る、直す、管理する仕事です。例えば、毎日使う携帯電話のカバーや、車のパーツ、おもちゃなど、実に多くの製品が金型を使って大量生産されています。金型工がいなければ、私達の生活は今とは大きく違ったものになっていたでしょう。 金型工の仕事は、設計図を読み解くことから始まります。設計図には、製品の大きさや形、材質、求められる精度など、様々な情報が記されています。金型工はそれらの情報を元に、金属の塊から必要な形を切り出したり、研磨したり、穴を開けたりと、様々な方法で金属を加工していきます。この時、使う道具も様々です。金属を削る機械や、表面を滑らかにする研磨機、微細な穴を開けるための精密なドリルなど、状況に応じて最適な道具を選び、使いこなす必要があります。求められる精度は非常に高く、時には髪の毛の太さよりも小さな単位での調整が必要になります。そのため、高い集中力と、ミクロン単位の誤差も見逃さない、緻密な作業が求められます。 金型作りは、一人で黙々と作業を進めるだけでなく、チームで協力して行う場合もあります。大きな金型を作る際には、複数の金型工がそれぞれの担当部分を製作し、最後にそれらを組み合わせて完成させます。また、完成した金型を工場の生産ラインに設置し、実際に製品が作られる様子を確認することも重要な仕事です。製品に不具合があれば、金型の修正を行い、より良い製品が作れるように調整を繰り返します。近年は、コンピューターを使った設計や加工も増えており、金型工にも新しい技術の習得が求められています。3次元設計ソフトや、加工機械を制御するプログラムなどを使いこなすことで、より複雑で高精度な金型を、より効率的に作ることができるようになります。一つの金型を完成させるまでには、数週間から数ヶ月かかることもあり、その作業はまさに熟練した職人の技と言えるでしょう。