経営者確認書

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金融

監査の要、経営者確認書とは

会計検査において、検査官は会社の財務報告書が適切に作られているかを調べ、自分の見解を示します。この見解を示すにあたり、検査官は会社の経営者から「経営者による確認書」を受け取ります。この確認書は、経営者が財務報告書の作成に責任を持ち、検査に必要な情報をすべて提供したことを証明する大切な書類です。検査報告書を提出するには、この確認書が必ず必要となります。確認書がない場合は、検査官は検査を終えることができず、見解を示すこともできません。これは、検査の信頼性を保証する上で、経営者の責任を明らかにする必要があるためです。 検査官は中立的な立場から会社を検査しますが、財務報告書を作る責任はあくまでも会社の経営者にあります。確認書は、この責任の所在をはっきりさせる役割を担っています。具体的には、財務報告書に記載されている情報が真実であること、重要な情報が隠されていないこと、会社の資産や負債、収益や費用などが適切に計上されていることなどを経営者が確認し、署名します。これにより、検査官は経営者から提供された情報に基づいて検査を行い、その結果を報告書にまとめることができます。もし、財務報告書に誤りがあった場合、その責任は確認書に署名した経営者にあります。 確認書には、会社の事業内容や会計処理方法に関する重要な情報も含まれる場合があります。検査官はこれらの情報を確認することで、会社の財務状況や経営成績をより正確に把握し、検査の質を高めることができます。また、確認書は、経営者と検査官の間で情報を共有し、相互理解を深めるためのコミュニケーションツールとしても役立ちます。検査を通じて問題点や改善点が明らかになった場合、検査官は経営者と話し合い、より良い経営のあり方を共に考えることができます。このように、確認書は単なる手続き上の書類ではなく、会社の健全な発展を支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。