
転籍:新たな一歩を踏み出すために
転籍とは、今勤めている会社との雇用契約を終わらせ、別の会社と新しい雇用契約を結ぶことで職場を変えることです。よく似た言葉に転職がありますが、転職は自分の意思で会社を変えるのに対し、転籍は会社側の都合や組織の変更で起こることが多くあります。自分の意志とは関係なく、会社から指示される場合がほとんどと言えるでしょう。
例えば、会社が事業の一部を別の会社として独立させる場合や、子会社に社員を異動させる場合などに転籍が行われます。また、会社の合併や買収に伴い、社員が新しい会社に移ることも転籍にあたります。
転籍には社員の同意が必ず必要です。会社都合であっても、社員が転籍を断ることはできます。しかし、転籍を断った場合、元の会社で仕事を続けられない可能性もあるため、将来の生活設計も踏まえ、慎重に判断する必要があります。
会社側は、転籍によって社員の労働条件が大きく変わる場合があることを理解し、社員ときちんと話し合う必要があります。転籍の必要性や利点、欠点を丁寧に説明する義務があります。また、転籍に伴う社員の不利益を、できる限り少なくするための配慮も会社には求められます。例えば、転居が必要な場合には転居費用を負担したり、新しい職場で必要な研修を受けさせたりするなど、社員が新しい環境にスムーズに適応できるよう支援することが大切です。