税効果会計

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金融

永久差異:税務と会計のズレ

会社のお金の流れを把握する方法には、会計処理と税務処理の二つのやり方があります。会計処理は、会社の経営状態を正しく理解するために用いられ、税務処理は、税金を正しく計算するために用いられます。これらの処理方法の違いによって、お金の計算結果に差が生じることがあります。この差のことを「差異」と呼びます。差異には、一時的に生じるものと、ずっと残るものがあります。永久差異とは、将来にわたって解消されない差異のことです。 たとえば、会社が他の会社に出資して、そこから配当金を受け取ったとしましょう。会計処理では、この配当金は会社の収入として計上されます。しかし、税務処理では、この配当金の一部または全部が収入として認められない場合があります。これは、税法上、二重課税を防ぐための措置がとられているためです。このような場合、会計処理と税務処理で収入の金額に差が生じます。この差は、将来にわたって解消されることがないため、永久差異となります。 他にも、会社が法人税等を支払った場合も永久差異が生じます。会計処理では、法人税等は会社の費用として計上されます。しかし、税務処理では、法人税等は費用として認められません。これも、税法上、法人税等は会社の利益から控除されるべきものと考えられているためです。この場合も、会計処理と税務処理で費用の金額に差が生じ、永久差異となります。 このように、永久差異は会計処理と税務処理の根本的な考え方の違いから生じるものであり、将来の会計処理や税務処理に影響を与えることはありません。永久差異を理解することは、会社の財務状況を正しく把握するために重要です。