潜水漁

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製造業

海女・海士の道:息づく伝統と未来への挑戦

海女、海士は、酸素ボンベなどの道具を使わず、自分の肺一つで海に潜り、アワビやサザエ、ウニ、ワカメといった海の幸を獲る仕事です。古くから日本の各地の海辺で行われてきた、歴史ある漁のやり方です。縄文時代から続いているとも言われ、長い歴史の中で培われた知恵と技が受け継がれています。 海女、海士の仕事は、ただ潜って海の幸を獲るだけではありません。海の状況をしっかりと見極めることが大切です。季節や天気、潮の満ち干など、自然の移り変わりを敏感に感じ取り、最適な時期を見計らって海に潜ります。長年の経験と勘によって、海の状態を的確に判断し、安全に漁を行うのです。 熟練した海女、海士になると、水深数十メートルまで潜り、数分間も息を止めていられます。腰に重りをつけた紐一本で深く潜る姿は、力強さと美しさを感じさせ、多くの観光客を惹きつけています。海の底で、素早く獲物を探し、捕まえる技術は、まさに海の達人と言えるでしょう。 しかし、近年は獲れる量が減ったり、仕事を引き継ぐ人が少なくなったりと、様々な問題に直面しています。海を取り巻く環境の変化や、生活様式の変化などが、その原因として考えられます。この貴重な伝統を守っていくためには、様々な工夫が必要です。各地で、後継者を育てる取り組みや、海の環境を守る活動などが行われています。伝統の技を次の世代に繋ぎ、この美しい漁の文化を未来に残していくことが、私たちの大切な役目です。