
裁量労働制:働き方のメリットとデメリット
裁量労働制とは、実際に働いた時間の長さではなく、仕事の結果や達成度で評価する働き方です。あらかじめ会社と労働者の間で決めた時間働いたものとみなされ、お給料が支払われます。このあらかじめ決めた時間を「みなし労働時間」と言い、会社と労働者の代表で決めます。
一見すると、自分の好きなように働けるように思えますが、実際に働いた時間が、みなし労働時間を超えても、基本的には残業代は出ません。例えば、みなし労働時間が8時間でも、10時間働いたとしても、8時間分のお給料しかもらえないということです。ただし、夜遅くや休日に働いた場合は、別途手当が支払われます。
裁量労働制は、働く人の自主性や創造性を高める働き方として取り入れられています。自分で仕事の進め方を考え、計画的に進めることで、効率的に仕事を進められると期待されています。また、働く時間や場所を柔軟に調整できるため、仕事と生活のバランスを取りやすいという利点もあります。
一方で、裁量労働制には、長時間労働になりやすいという問題点もあります。仕事の結果を出すために、みなし労働時間を大幅に超えて働いてしまう人もいます。また、仕事をした時間ではなく、成果で評価されるため、仕事の成果が見えにくい場合、評価が難しくなることもあります。
裁量労働制を導入する際には、会社と働く人の両方にとって、良い点と悪い点をきちんと理解することが大切です。会社は、働く人が適切に労働時間を管理し、健康に働けるように配慮する必要があります。働く人も、自分の働き方をしっかりと管理し、長時間労働にならないように注意する必要があります。裁量労働制は、正しく運用されれば、会社と働く人双方にとってメリットのある制度になりえます。