時間外労働

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転職用語

残業の実態とリスキリングで変わる働き方

仕事が終わらず、定められた時間よりも長く働くことを残業と言いますが、この残業には大きく分けて二つの種類があります。一つは「法定内残業」と言い、もう一つは「法定外残業」と言います。法定内残業とは、会社で決められた普段の就業時間よりも長く働く場合でも、法律で決められた一日の労働時間や一週間の労働時間を超えない範囲の残業です。例えば、会社で一日の就業時間が7時間と決められている場合に、8時間働いたとしましょう。法律で決められた一日の労働時間は8時間ですから、この場合はまだその範囲内です。つまり、この1時間は法定内残業となります。この場合、会社は通常の時給に上乗せして支払う必要はありません。 一方、法定外残業とは、法律で決められた一日の労働時間、一週間の労働時間を超えて働くことです。先ほどの例で言えば、会社で決められた就業時間が7時間で、法律で決められた労働時間が8時間の場合、9時間働いたとすると、8時間を超えた1時間は法定外残業となります。法律で決められた時間を超えて働いているため、会社は労働基準法に従って、通常の賃金に25%以上の割増賃金を上乗せして支払う義務があります。 この法定外残業を行うためには、会社と従業員を代表する人との間で、時間外労働や休日労働に関する取り決めを交わす必要があります。これは「三六協定」と呼ばれるもので、この協定によって、労働時間の上限が決められます。会社は従業員に残業させる場合、この三六協定を結ぶことが法律で義務付けられています。従業員の健康と安全を守るために、残業時間には法律で上限が設けられています。会社と従業員双方で、労働時間に関する法律をよく理解し、適切な働き方をすることが大切です。
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違法なサービス残業の実態と対策

時間外勤務に対し、会社から決められた賃金が支払われないことを、一般的にサービス残業と呼びます。これは、労働者が働いた時間に応じて正当な報酬を得る権利を踏みにじる行為です。法律では、働いた時間に応じて賃金を支払うことが定められており、時間外勤務には割増賃金を支払う義務が会社にはあります。 しかし、現実には、多くの職場でサービス残業が当たり前のように行われているのが現状です。上司からの暗黙の了解や、はっきりとした指示によって、時間外勤務をしても賃金が支払われないケースが多く見られます。これは法律違反であり、労働者の心身に大きな負担をかける可能性があります。長時間労働は、疲れを溜め込み、集中力の低下や仕事のミスにつながるだけでなく、過労死や心の病気を引き起こす危険性も高めます。また、自分の時間を持つことができなくなり、仕事と生活の調和が崩れることも心配されます。 このような状況を改善するためには、労働者一人ひとりが自分の権利をきちんと理解し、違法なサービス残業には断固とした態度で立ち向かうことが大切です。会社からの指示であっても、法律に反することは断る勇気を持つ必要があります。同時に、会社側も法律を守る意識を高め、従業員が安心して働ける環境を作る責任があります。時間外勤務を減らすための取り組みや、時間外勤務に対する適切な賃金の支払いなど、会社が率先して改善していく必要があります。健全な職場環境を作るためには、労働者と会社の双方が協力し、より良い関係を築いていくことが不可欠です。サービス残業をなくすためには、社会全体でこの問題に取り組む必要があると言えるでしょう。
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36協定:残業の仕組みを理解する

労働基準法では、従業員の健康と安全を守るため、労働時間の上限が定められています。これを法定労働時間といいます。しかし、企業の業務の都合上、この法定労働時間を超えて従業員に働いてもらう必要がある場合も出てきます。そのような場合に必要となるのが、36協定(時間外・休日労働に関する協定)です。 この協定は、会社と従業員代表の間で、時間外労働や休日労働に関するルールを取り決めるものです。具体的には、どのくらいの時間まで残業させることができるのか、休日出勤はどの程度まで可能なのかといったことを、労使で話し合って決定します。この協定があることで、会社は法律の範囲内で必要な時間だけ従業員に働いてもらうことができ、業務を円滑に進めることができます。また、従業員も労働時間の上限が明確になるため、過重労働を防ぎ、健康と生活を守ることができます。 36協定を締結する際には、従業員代表の選出方法や協定の内容について、労働基準法で定められた手続きをきちんと踏む必要があります。例えば、従業員代表は労働者の過半数で組織する労働組合が選出するか、労働組合がない場合は従業員が選出することなどが定められています。また、協定の内容には、時間外労働や休日労働の上限時間、割増賃金率などを明記する必要があります。締結した36協定は、労働基準監督署へ届け出なければならず、この手続きを怠ると、会社は法律違反となり、罰則が科せられる可能性があります。 36協定は、会社と従業員双方にとって、より良い労働環境を作るための重要な仕組みです。会社は法律を守りながら事業を運営し、従業員は自身の健康と生活を守りながら働くことができます。そのため、36協定の締結と適切な運用は、企業の社会的責任を果たす上でも非常に大切です。