
救急救命士:命を守るプロフェッショナルの道
119番通報が入ると、赤いランプを回転させ、サイレンを鳴らしながら救急車は現場へと急いで向かいます。救急救命士は、この緊急車両の中で、一刻を争う事態に備え、緊張感を持って待機しています。現場に到着すると、状況は様々です。交通事故、急病、転落事故など、予測できない事態に直面します。救急救命士は、まず現場の安全確認を行います。二次災害の危険性がないか、周囲に危険物が落ちていないかなどを注意深く確認します。そして、傷病者に駆け寄り、意識、呼吸、脈拍の確認といった初期評価を行います。同時に、周囲の人から状況を聞き取り、何が起きたのかを把握します。傷病者の状態に応じて、気道確保、酸素吸入、心臓マッサージ、止血、骨折の固定など、適切な応急処置を施します。場合によっては、医師の指示を受け、高度な医療行為を行うこともあります。救急車内という限られた空間で、揺れる車内の中で、必要な医療機器を適切に使用し、迅速かつ的確な処置を行うには、高度な技術と豊富な知識、そして冷静な判断力が必要です。傷病者を搬送する病院の選定も、救急救命士の重要な任務です。傷病者の容態や搬送時間などを考慮し、最も適切な医療機関を選びます。病院へ搬送する途中も、救急救命士の仕事は続きます。病院スタッフへ容態の変化や行った処置などの情報を伝え、スムーズな引き継ぎを行います。肉体的にも精神的にも負担の大きい仕事ですが、人命を救うという大きなやりがいを感じられる仕事です。救急救命士は、まさに命の最前線で活躍する、尊い職業と言えるでしょう。