国税庁

国の税金を取り扱う役所である税務署の職員が行う税務調査は、会社や個人が税金の申告を正しく行っているかを確認するために行われます。 提出された申告の内容に基づいて計算された税額が本当に適切なのか、申告し忘れている部分はないかなどを、帳簿や領収書といった書類を細かく調べて確認します。 税務調査には、大きく分けて二つの種類があります。一つは、税務署員が会社や自宅へ訪問して行う実地調査です。もう一つは、税務署に書類を提出して行う書面調査です。実地調査の場合、通常は数日間にわたって行われ、税務署員は会社の事務所や工場などを訪れ、帳簿や書類を直接確認します。会社の規模が大きければ大きいほど、調査期間も長くなる傾向があります。一方、書面調査は、特定の取引や項目について、税務署に書類を提出して説明を求められるものです。実地調査に比べると調査期間は短くて済みます。 税務調査は、何も問題がない会社に対しても無作為に行われることもありますが、多くの場合は何らかの理由があって行われます。例えば、過去に税務調査で問題が見つかった会社は、再び調査対象となる可能性が高くなります。また、同業他社と比べて申告内容に大きな差がある場合なども、税務調査が行われる可能性が高くなります。さらに、税務署の情報収集力は広く、取引先や従業員からの情報提供がきっかけで調査が始まることもあります。 税務調査が行われることは、会社にとって時間や労力が取られる大きな負担となることは間違いありません。しかし、日頃から正しい経理処理を行い、税務調査に備えておくことで、スムーズな調査対応が可能となり、余計な問題を避けることができます。普段から帳簿や領収書を整理整頓し、税法の変更点にも注意を払うことが大切です。また、税理士などの専門家に相談することも有効な手段です。きちんと準備を整えておくことで、税務調査をスムーズに乗り越え、会社経営の安定に繋げることができます。