
環境調査員の仕事と将来
開発行為が自然環境にどのような影響を与えるかを事前に調べ、評価し、環境を守るための対策を考えるのが環境影響評価調査員の仕事です。規模の大きい開発を行う際には、法律によって環境影響評価(環境アセスメント)を行うことが義務付けられています。環境影響評価調査員はこの調査・予測・評価の中心的な役割を担います。
具体的には、まず現地調査を行います。大気の状態、水質、土壌、動植物、景色、騒音、振動など、様々な環境の要素について情報を集めます。集めた情報をもとに、開発によって環境がどのように変化するかを科学的に分析し、評価します。影響が大きいと予想される場合は、その影響を少なくするための対策を考え、提案します。
環境影響評価調査員の仕事が関わる開発事業は、道路、ダム、発電所、工場、ごみ処理施設など多岐にわたります。近年は地球温暖化対策の重要性が増しており、環境影響評価においても温室効果ガス排出量への影響評価が重視されています。そのため、環境影響評価調査員は常に新しい知識や技術を学ぶ必要があります。
開発によって周辺の生活環境や自然環境が損なわれることがないよう、環境影響評価調査員は科学的な視点から調査を行い、保全のための対策を検討します。具体的には、工事による騒音や振動の影響、排水による水質汚濁の影響、排出ガスによる大気汚染の影響などを評価し、必要に応じて対策を提案します。また、希少な動植物の生育・生息環境への影響についても調査し、保全のための対策を検討します。環境影響評価調査員の仕事は、開発と環境保全のバランスを保ち、持続可能な社会を実現するために重要な役割を担っています。