
資産価値の減少:減損とは?
会社は売上を伸ばすため、色々なものに投資をします。たとえば、新しい機械を買ったり、工場を建てたりすることです。これらの機械や建物は、会計では「資産」と呼ばれます。資産は将来の売上増加に役立つと考えられていますが、ときには、その考えが外れることがあります。たとえば、技術の進歩で買った機械が時代遅れになったり、市場の需要が変わって、工場で作ったものが売れなくなったりするような時です。このような時、資産の帳簿上の金額と、実際に将来回収できる金額に差が出ます。この差を把握し、帳簿上の金額を減らす会計処理が「減損」です。
減損は、会社の財務状況を正しく見せるために必要な手続きです。資産の価値が下がったにも関わらず、帳簿上の金額をそのままにしておくと、会社の本当の財務状況が分からなくなります。減損を行うことで、会社の財務状況をより正確に表すことができます。また、減損は、会社の将来の業績を予測する上でも大切な情報です。減損が発生したということは、会社の将来の収益が当初の予想よりも低くなる可能性を示唆しています。投資家などは、減損情報をもとに、会社の将来性などを判断します。
適切な減損処理を行うことで、会社の透明性を高めることができます。会社の情報を隠さず、オープンにすることで、投資家や銀行など、会社に関わる人たちの信頼を得ることができます。信頼を得ることで、資金調達がしやすくなるなど、会社にとって良い影響があります。減損は一見ネガティブな情報に思われがちですが、適切な減損処理は、会社の健全性を示すことにも繋がります。会社が将来にわたり安定して事業を続けるためにも、減損に関する正しい知識を身につけておくことが大切です。