固定残業代

記事数:(2)

転職用語

固定残業代の落とし穴:転職時の注意点

いわゆる「みなし残業」とも呼ばれる固定残業制は、あらかじめ決められた時間分の残業代を毎月の給料に組み込んで支払う制度です。例えば、月給30万円の中に、30時間分の残業代5万円が含まれているといった具合です。営業職のように、仕事の内容から残業時間が読みにくい職種でよく使われています。 一見すると、毎月決まった額の収入が得られるため、安定しているように感じるかもしれません。しかし、仕事を変える際には注意深く検討する必要があります。固定残業代として支払われる金額に見合う残業時間を超えて働いても、それ以上の残業代が支払われない場合もあるからです。 求人情報には、固定残業代に何時間分の残業代が含まれているか、そしてその時間を超えた場合に追加の残業代が支払われるかが記載されているはずです。しっかりと確認せずに転職してしまうと思わぬ落とし穴にはまる可能性があります。例えば、固定残業時間を大幅に超えて働くことになっても、追加の残業代が支払われなければ、実際の時間給は想定よりも低いものになってしまいます。長時間労働で心身ともに疲弊してしまうかもしれません。 転職活動においては、固定残業制を採用している企業の求人情報には、基本給と固定残業代の金額、そして固定残業時間数が明記されているかを確認しましょう。固定残業時間を超えた場合の残業代の支払いについても、必ず確認することが大切です。記載がない場合は、面接の際に質問するなどして、不明な点を解消しておくべきです。曖昧なままにしておくと、入社後に想定外の労働条件に直面し、後悔することになりかねません。しっかりと制度を理解し、納得した上で転職活動を進めることが大切です。
転職用語

固定残業代の落とし穴

毎月の給与明細に「固定残業代」という項目を見たことはありませんか?これは、あらかじめ一定時間分の残業手当を基本給に組み込んで支給する仕組みです。毎月決まった額が支払われるため、残業の有無は関係ありません。「みなし残業」や「定額残業」と呼ばれることもあります。 企業にとっては、この仕組みにはメリットがあります。毎月の残業時間を個別に集計する手間が省け、給与計算を簡略化できるからです。また、人件費の予算管理もしやすくなります。 しかし、労働者にとっては注意が必要です。もし実際に働いた残業時間が、固定残業代に含まれる時間よりも多かった場合、その超過分に対する残業代が支払われない可能性があります。例えば、固定残業代に20時間分の残業代が含まれていて、実際に30時間残業した場合、10時間分の残業代が未払いになる可能性があるのです。 また、残業時間の管理が曖昧になることも問題です。固定残業代に含まれる時間数を大きく超えて残業しているにも関わらず、その実態が把握されないまま放置される危険性があります。過重労働につながる恐れもあるため、日々の労働時間の記録は必ず行いましょう。 さらに、固定残業代が適法であるためには、いくつかの条件があります。まず、労働契約書などに、固定残業代の金額、算定基準(時間単価や時間数)、対象となる業務内容などが明確に記載されている必要があります。また、固定残業代として支払われる金額が、実際に働いた残業時間に対する残業代よりも低い金額であってはいけません。 転職活動中や現在の仕事で固定残業代に関する疑問があれば、労働基準監督署などの専門機関に相談することをお勧めします。固定残業代の仕組みを正しく理解し、自分の労働条件に合致しているかを確認することは、自身の権利を守る上で非常に重要です。