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金融

未達取引:認識のずれがもたらす影響

会社組織では、さまざまな部署や時には別の会社と取引を行うのが一般的です。しかし、これらの取引において、それぞれの部署や会社の間で認識のずれが生じることがあります。例えば、ある部署では取引が完了したと認識していても、別の部署ではまだ完了していないと認識している場合があります。このような取引を未達取引といいます。 未達取引は、部署間だけでなく、会社間でも発生する可能性があります。例えば、本社と支店間での取引を考えてみましょう。本社が商品を出荷し、売上として計上したとしても、支店が商品をまだ受け取っていなければ、支店側では売上として計上されません。このように、同じ取引でも、それぞれの場所で認識が異なり、一方は取引が完了したと記録し、他方は未完了として記録していない状態が未達取引です。 未達取引は、会社の財務諸表の正確さを損なう可能性があります。例えば、売上が実際よりも多く計上されていると、会社の業績が過大評価され、誤った経営判断につながる可能性があります。また、未達取引は、会社の内部統制に問題があることを示唆している場合もあります。内部統制が適切に機能していれば、このような認識のずれは防げるはずです。 未達取引の原因は、単なる事務処理上のミスだけではありません。例えば、取引に関する情報の伝達がうまくいっていない、取引の記録方法が統一されていない、担当者間のコミュニケーション不足などが考えられます。未達取引を防ぐためには、取引に関するルールを明確化し、担当者への教育を徹底する必要があります。また、定期的に取引状況を確認し、未達取引が発生していないかを確認することも重要です。未達取引は、会社の信頼性を損なう可能性があるため、未然に防ぐための対策を講じる必要があります。
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外貨建て取引と為替変動リスク

外国のお金で取引を行うことを、外貨建て取引と言います。普段私たちが使っている円ではなく、アメリカドルやヨーロッパのユーロ、中国の人民元など、様々な国の通貨が使われます。世界中が繋がりやすくなった今の時代、日本の会社が外国の会社と取引をする機会は増えており、外貨建て取引は当たり前のものとなっています。具体的には、外国から材料を仕入れる時や、外国に商品を売る時、外国の会社にお金を出資する時など、様々な場面で外貨建て取引が行われています。これらの取引は、国と国との貿易や投資を盛んにするために大切な役割を担っています。 外貨建て取引を行う場合、取引した時点での交換比率(為替レート)を使って円に換算し、帳簿に記録する必要があります。例えば、1ドル150円の時に100ドルの買い物をした場合、15000円として帳簿に記録します。そのため、この為替レートの上がり下がりは、会社の利益に大きな影響を与える可能性があります。もし、1ドル100円の時に100ドルの買い物をしていたら、10000円で済んでいたところが、150円の時には15000円かかってしまうからです。反対に、1ドル200円の時に100ドルの商品を売れば、20000円の売り上げになりますが、100円の時には10000円にしかなりません。このように、為替レートによって利益が大きく変わるため、会社は為替レートの変動による危険性をしっかり管理することが重要です。急激な為替の変動に対応できる準備をしておくことで、損失を少なくし、利益を最大化することに繋がります。