医療費負担

健康保険とは、病気やけがをした際に、医療費の負担を軽くし、安心して治療を受けられるようにする制度です。日本では国民皆保険制度が採用されており、ほぼすべての国民が何らかの健康保険に加入しています。 会社で働く人は、勤務先が加入している健康保険組合や全国健康保険協会（協会けんぽ）に加入するのが一般的です。自営業者やフリーランスなどは国民健康保険に加入します。また、学生や高齢者など、状況に応じて加入する健康保険の種類も異なります。 健康保険に加入すると、保険料を支払う必要があります。会社員の場合、保険料は会社と本人が半分ずつ負担するのが一般的です。毎月の給料から自動的に天引きされるため、支払いを意識していない人も多いかもしれません。 この保険料のおかげで、病気やけがで病院にかかった際、医療費の自己負担額は原則３割で済みます。もし健康保険に加入していなければ、高額な医療費を全額自分で支払わなければならず、家計に大きな負担がかかってしまいます。例えば、入院や手術が必要な大きな病気やけがの場合、医療費が数百万円に及ぶこともあります。健康保険に加入していれば、自己負担額は３割に抑えられ、残りの７割は健康保険から支払われます。 子どもや高齢者の医療費負担をさらに軽くするための制度もあります。例えば、子どもの医療費の一部または全額を助成する制度を多くの自治体が設けています。また、７０歳以上の人は、現役世代と比べて医療費の自己負担割合が高くならないよう、公的医療保険とは別の高齢受給者証を提示することで、医療費の窓口負担を１割または２割に抑えることができます。 このように、健康保険は、病気やけがによる経済的な負担を軽減し、安心して医療を受けられるようにするための大切な制度です。日頃から健康に気を付けていても、いつ病気やけがをするかは分かりません。健康保険は、私たちが安心して暮らしていく上で欠かせない社会保障制度の一つと言えるでしょう。