労働問題

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転職用語

違法なサービス残業の実態と対策

時間外勤務に対し、会社から決められた賃金が支払われないことを、一般的にサービス残業と呼びます。これは、労働者が働いた時間に応じて正当な報酬を得る権利を踏みにじる行為です。法律では、働いた時間に応じて賃金を支払うことが定められており、時間外勤務には割増賃金を支払う義務が会社にはあります。 しかし、現実には、多くの職場でサービス残業が当たり前のように行われているのが現状です。上司からの暗黙の了解や、はっきりとした指示によって、時間外勤務をしても賃金が支払われないケースが多く見られます。これは法律違反であり、労働者の心身に大きな負担をかける可能性があります。長時間労働は、疲れを溜め込み、集中力の低下や仕事のミスにつながるだけでなく、過労死や心の病気を引き起こす危険性も高めます。また、自分の時間を持つことができなくなり、仕事と生活の調和が崩れることも心配されます。 このような状況を改善するためには、労働者一人ひとりが自分の権利をきちんと理解し、違法なサービス残業には断固とした態度で立ち向かうことが大切です。会社からの指示であっても、法律に反することは断る勇気を持つ必要があります。同時に、会社側も法律を守る意識を高め、従業員が安心して働ける環境を作る責任があります。時間外勤務を減らすための取り組みや、時間外勤務に対する適切な賃金の支払いなど、会社が率先して改善していく必要があります。健全な職場環境を作るためには、労働者と会社の双方が協力し、より良い関係を築いていくことが不可欠です。サービス残業をなくすためには、社会全体でこの問題に取り組む必要があると言えるでしょう。
公務員

労働基準監督官:働く人を守る道

労働基準監督官は、働く人々が安心して仕事ができるよう、法律に基づいた公正な労働環境を作るための大切な役割を担っています。主な仕事は、工場や事務所といった職場を巡回し、労働基準法をはじめとする様々な労働関係法令が正しく守られているかを調査することです。具体的には、労働時間や休憩時間、賃金の支払い、安全衛生対策など、多岐にわたる項目をチェックします。 職場を巡回する際には、書類を確認するだけでなく、実際にそこで働く人たちからも話を聞きます。労働時間や賃金について、帳簿などの記録と労働者の話に食い違いがないかを確認することで、法令違反を見つける手がかりを得ます。また、職場の安全衛生対策が適切かどうか、機械の配置や protective device の設置状況なども細かく調べます。 調査の結果、法令違反が明らかになった場合は、事業者に対して改善を指導します。違反の内容に応じて、是正勧告や改善命令といった措置を講じ、事業者が法令を遵守するように促します。指導に従わず、悪質な違反を繰り返す事業者に対しては、司法機関に送致することもあります。 近年、職場における嫌がらせや過労死といった問題が社会的に注目を集めており、労働基準監督官の役割はますます重要になっています。これらの問題に対しても、相談窓口を設けたり、事業者への指導を行ったりすることで、働く人々の権利と安全を守ります。 労働基準監督官は、複雑化する労働問題に的確に対応するため、常に法律や社会情勢の最新情報を把握しておく必要があります。また、企業の担当者や労働者など、様々な立場の人と適切にコミュニケーションを取り、中立的な立場で問題解決を図っていく能力も求められます。働く人々の生活を支え、より良い社会を実現するために貢献する、やりがいのある仕事と言えるでしょう。