
利益の源泉、貢献利益を学ぶ
利益を生み出す仕組みを理解することは、事業の成長にとって欠かせません。その中で、「貢献利益」という考え方は、とても役に立ちます。貢献利益とは、簡単に言うと、売上から、売れた数に応じて変わる費用を引いた金額のことです。
たとえば、お菓子を販売している会社を考えてみましょう。お菓子が1つ売れるごとに、材料費や包装にかかる費用が発生します。これらの費用は、売れたお菓子の数が増えれば増えるほど、それに比例して高くなります。このように、売上に連動して変化する費用を変動費と言います。お菓子の製造販売でいうと、材料費、包装費の他に、販売したお菓子を運ぶための送料なども変動費に含まれます。
貢献利益を計算するには、まず、売上高からこれらの変動費を差し引きます。残った金額が、固定費の支払いに充てられるお金であり、ひいては利益を生み出すための元手となります。固定費とは、売上の増減に関わらず、一定額発生する費用のことです。たとえば、工場の家賃や従業員の給与、事務用品費などが固定費に該当します。これらの費用は、お菓子が売れようが売れまいが、毎月必ず支払わなければなりません。
貢献利益が高いほど、固定費を支払った後に残る利益も大きくなるため、事業の安定性を高めることができます。また、新しい商品を開発したり、販売網を拡大したりするための資金も確保しやすくなります。
このように、貢献利益は、会社の儲けの仕組みを理解するための基本となる重要な指標です。貢献利益を把握することで、どの商品がどれくらい利益に貢献しているのか、あるいは、費用をどのように抑えれば利益が増えるのかなどを分析することができます。そして、その分析結果に基づいて、価格設定や販売戦略、費用削減策などを検討することで、事業の収益性を向上させることができるのです。