一般職

会社には、大きく分けて総合職と一般職という二つの正社員の区分があります。このうち一般職とは、主に決まった手順で行う補助的な仕事をする社員のことを指します。一般職の大きな特徴は、転勤で住む場所を変える必要がないことです。そのため、生まれ育った地域で長く働きたいと考えている人にとって、魅力的な選択肢となっています。しかし、一般職には役職に就いて部下を持つことが難しいという現状があります。そのため、仕事を通して役職や立場を高めたいと考えている人にとっては、キャリアを高める機会が限られていると言えます。また、総合職に比べて給与の仕組みが違うことが多く、生涯にわたって受け取れる給与の合計額が少ない傾向にあります。総合職と比べて昇進や給与の面で不利な立場にある一般職の社員の中には、より高い役職を目指したり、収入を増やしたりするために、転職活動をする、あるいは新しい技術や知識を学ぶ人が増えています。例えば、事務職の経験を活かして、より専門的な知識が求められる経理の仕事に転職するために簿記の資格を取得する、といった人もいます。また、会社の外でパソコン教室に通い、高度な資料作成の技術を身につけることで、社内でより重要な仕事に携われるよう努力する人もいます。このように、一般職の社員は、自らの力でキャリアを切り開こうと、様々な方法で努力しています。企業側も、一般職の社員がより働きがいを感じ、能力を最大限に発揮できるような環境づくりが求められています。例えば、一般職向けの研修制度を充実させる、あるいは一般職から総合職への転換を認めるなど、企業が積極的に一般職のキャリア支援に取り組むことで、社員の定着率向上や企業全体の活性化に繋がると考えられます。