一年基準

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金融

一年基準:流動と固定資産の区分

一年基準とは、企業のお金の流れを一年という期間で区切り、財務状態を把握するための大切な考え方です。簡単に言うと、一年以内に現金に変わる見込みの財産や、一年以内に支払う必要のある負債をまとめて、短期的な視点で会社の状態を評価するための基準です。 具体的には、会社の財産目録である貸借対照表を作る際に、それぞれの財産や負債を「流動」か「固定」かに分類するために使われます。一年以内に現金化できる、あるいは一年以内に支払いを済ませる必要があるものは「流動」に分類されます。例えば、商品を売ってすぐに現金になるような在庫や、一年以内に支払う予定の給料などは「流動資産」「流動負債」となります。 逆に、一年以上かけて現金になるものや、一年以上後に支払うものは「固定」に分類されます。例えば、工場や建物といったすぐに売ることが難しいものは「固定資産」、長期の借入金などは「固定負債」に分類されます。 ただし、一年を超えていても、会社の通常の商売の流れの中で一年以内に現金化や支払いが完了するものは「流動」として扱われます。例えば、製造期間が一年を超えるような製品の製造費用であっても、完成して販売すれば一年以内に現金化できる場合は「流動資産」に含めます。 この一年基準は「ワン・イヤー・ルール」とも呼ばれ、会社の財務状態を分析する上で基本となる考え方です。流動資産と流動負債を比較することで、短期的な支払能力を測る指標である「流動比率」などを算出することができます。これらの指標を理解することで、会社の経営状態を正しく把握し、投資判断などに役立てることができます。