ワラント

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金融

ワラント:株式購入の権利を理解する

「ワラント」とは、将来特定の会社の株を、あらかじめ決めた値段で、決められた期間内に買うことができる権利のことです。お店で配られる割引券のようなものだと考えてみてください。割引券は、持っている人だけが、ある商品を特定の期間、割引価格で買う権利を持つことができます。ワラントもこれと同じように、権利を持っている人が、将来、会社の株をあらかじめ決められた価格で買うことができるのです。 ただし、割引券と違う重要な点があります。それは、株を「必ず買わなければならない」わけではないということです。株の売買には「オプション取引」と呼ばれるものがありますが、こちらは株を買う「義務」が発生します。ワラントはそうではありません。株を買う権利を持っているだけで、実際に買うかどうかは、権利を持っている人が自由に決めることができます。 では、ワラントを持っている人は、いつ株を買うのでしょうか?答えは簡単で、株価とワラントの行使価格を比べて、株価の方が高い時です。例えば、ワラントで株を1株1000円で買う権利を持っているとします。そして、ある時点で、その会社の株価が1株1500円になっているとしましょう。この場合、ワラントを使って1000円で株を買い、すぐに市場で1500円で売れば、1株あたり500円の利益を得ることができます。 反対に、株価がワラントの行使価格よりも低い場合はどうでしょうか?例えば、株価が1株800円になっているとします。この場合、ワラントを使って1000円で株を買うよりも、市場で800円で買った方が安く済みます。ですから、株価が行使価格よりも低い場合は、ワラントを行使する意味はなく、権利は使われないまま期限が切れることになります。 このように、ワラントは株価が上がるほど利益を得られる可能性が高くなるため、株価の上昇を期待する投資家にとって、魅力的な投資商品となっています。