インセンティブ

従業員持ち株制度は、会社で働く人が自社の株を購入できるようにする制度です。毎月の給与やボーナスから天引きして積み立てたり、会社からの奨励金を加えて購入する形が一般的です。簡単に言うと、自分の働く会社の一部を所有することになります。 この制度には、従業員の財産形成を支援する目的があります。株価が上がれば、売却益を得ることができますし、配当金を受け取ることもできます。もちろん、株価が下がるリスクもありますが、長期的な視点で資産運用を行うことで、着実な財産形成につながる可能性があります。 さらに、従業員持ち株制度は会社と従業員との結びつきを強める効果も期待されています。株主となることで、従業員は会社の業績に直接関わるようになり、「会社を良くしたい」という意識が芽生えやすくなります。自分の仕事が会社の業績にどう影響するかをより深く考えるようになり、結果として、業務への意欲向上や生産性の向上につながることが期待されます。 また、経営への参加意識も高まります。株主総会に出席して、会社の経営方針について意見を述べる機会も得られます。これは、従業員が会社の一員であることを実感し、会社全体の一体感を高めることにつながります。近年、多くの企業がこの制度を導入し、従業員の福利厚生の一環として、また、会社全体の活性化を図る手段として注目を集めています。 従業員持ち株制度には、税制上の優遇措置が設けられている場合もあります。例えば、給与やボーナスから天引きして積み立てる場合、所得控除の対象となる場合があります。また、売却益や配当金についても、税金の軽減措置がある場合があります。導入を検討している企業や、制度を利用しようと考えている従業員は、制度の内容をよく理解し、メリットとリスクを十分に検討することが大切です。