図書館司書:知の案内人への道

図書館司書:知の案内人への道

転職の質問

『図書館司書』になるにはどうすればいいですか?

転職研究家

図書館司書になるには、主に2つの道があります。一つは、大学などで司書資格を取得する方法です。もう一つは、図書館で一定期間の実務経験を積んだ後に司書補の資格を取得し、さらに実務経験を積んで司書になる方法です。

転職の質問

大学で司書資格を取るのと、実務経験を積むのとでは、どちらが良いのですか?

転職研究家

それぞれにメリット・デメリットがあります。大学で取得する場合は、体系的に学ぶことができ、就職活動で有利になる場合もあります。実務経験を積む場合は、働きながら資格取得を目指せるので、経済的な負担が少なく済みます。どちらが良いかは、あなたの状況や希望によって異なります。

図書館司書

図書館司書の主な仕事内容
司書は、図書館での資料の収集・分類整理や、図書の貸し出し、読書の案内などを行う専門職です。小中学校、高校、盲学校、聾学校、養護学校等には学校図書室または図書館の設置が義務づけられています。
図書館司書になるには
資格については教員免許を有する者か、大学に2年以上在学し、62単位以上を習得した者ならば、講習を受講すれば取得できます。就職にあっては、必ずしも資格の有無を問われるものではないようです。学校図書館を例に取ると、小中学校では4~5割、高等学校では2割が司書、司書補、司書教諭いずれの資格も持たず働いているという調査もあり、兼任者も多いのが実情です。

図書館司書の仕事内容

図書館司書の仕事内容

図書館司書は、読書好きのためだけの職業と思われがちですが、実は多様な業務をこなす専門職です。利用者の求める資料を探し出すお手伝いをする受付業務だけでなく、図書館運営の根幹を支える仕事も担っています。

主な仕事内容は、蔵書管理です。図書館には、数多くの本や雑誌、新聞、視聴覚資料などが所蔵されており、これらを適切に管理しなければ利用者は目的の資料を見つけることができません。そのため、資料の状態確認や書庫整理、新規資料の選定や発注、資料の分類や目録作成など、日々の蔵書管理業務は欠かせません。また、破損した本の修理や、古くなった資料の除籍作業なども重要な仕事です。

利用者への親切丁寧な対応も図書館司書の大切な仕事です。利用者からの問い合わせ対応や資料の貸出・返却手続き、データベースの利用案内、読書案内やレファレンスサービスなどを通して、利用者の学習や研究、趣味などを支援します。さらに、近年は読書会や講演会、展示会などのイベントを企画・運営するなど、図書館を活性化させる役割も担っています。

図書館には、公共図書館、大学図書館、学校図書館、専門図書館など様々な種類があり、図書館司書の仕事内容も図書館の種類や利用者層によって異なります。公共図書館であれば地域住民の学習支援や情報提供学校図書館であれば児童生徒の読書活動推進大学図書館であれば学生や教員の研究活動の支援といった具合です。それぞれの図書館の特色を理解し、利用者のニーズに合わせたサービス提供が求められます。

このように、図書館司書は幅広い知識と高いコミュニケーション能力、そして利用者のニーズを的確に捉える観察力が必要とされる、やりがいのある仕事です。

業務内容 対象 種類
受付業務、資料探し、蔵書管理(状態確認、書庫整理、新規資料選定・発注、資料分類・目録作成、修理、除籍)、問い合わせ対応、貸出・返却、データベース利用案内、読書案内、レファレンスサービス、イベント企画・運営 利用者 共通
学習支援、情報提供 地域住民 公共図書館
読書活動推進 児童生徒 学校図書館
研究活動支援 学生、教員 大学図書館

求められるスキルと資格

求められるスキルと資格

図書館司書になるためには、司書資格が必須です。この資格は、大学や短期大学で定められた科目を学ぶことで取得できます。大学によっては、通信教育課程で取得できる場合もあります。司書資格を取得すると、公共図書館や大学図書館、学校図書館など、様々な図書館で働くことができます。司書資格以外にも、司書補という資格もあります。司書補は、司書の指示の下で働き、資料の整理や貸出・返却などの業務を行います。司書を目指す上で、司書補の経験は役立つでしょう。

司書として働く上で必要となるスキルは多岐にわたります。まず、利用者の求める資料を探し出す文献調査能力は非常に重要です。利用者からの要望を丁寧に聞き取り、様々なデータベースや蔵書検索システムを駆使して、必要な資料を見つけ出す必要があります。また、集めた情報を整理し、利用しやすい形にする情報整理能力も欠かせません。図書館には膨大な数の資料があります。これらの資料を体系的に整理し、利用者が容易にアクセスできるように管理する能力が必要です。

利用者と円滑なコミュニケーションをとる能力も重要です。利用者からの質問に丁寧に答えたり、読書の相談に乗ったりする際に、良好なコミュニケーションが不可欠です。利用者の年齢や読書の好みに合わせて、適切な資料を提案する能力も求められます。さらに、利用者一人ひとりに寄り添い、親切で丁寧な対応をすることも大切です。どんな些細な質問にも真摯に対応し、利用者が気持ちよく図書館を利用できるよう、心を配ることが求められます。これらのスキルを磨くことで、質の高いサービスを提供できる司書へと成長し、利用者から信頼される存在となることができるでしょう。

資格 業務内容 必要なスキル
司書 様々な図書館で働く 文献調査能力、情報整理能力、コミュニケーション能力、利用者への親切丁寧な対応
司書補 司書の指示の下、資料の整理や貸出・返却など (上記に加え、司書の指示を理解し実行する能力)

キャリアアップの道筋

キャリアアップの道筋

仕事を進める上でより高い役職や専門性を身につけることは、やりがいのある仕事人生を送る上で大切なことです。図書館で働く司書の仕事でも、様々な形で経験を積み重ね、自分の能力を高めることでキャリアアップを目指すことができます

多くの図書館では、経験を積むことで主任司書、副館長、そして館長へと段階的に昇進していくのが一般的です。主任司書は、他の司書の指導や、図書館の運営に関わる重要な仕事を行います。副館長は館長の補佐役として、図書館全体の運営を支えます。そして館長は、図書館全体の責任者として、図書館の運営方針を決定し、職員をまとめる役割を担います。

昇進以外にも、特定の分野に深い知識を持つ専門司書を目指す道もあります。例えば、子どもたちに読書の楽しさを伝える児童図書館司書は、子どもの発達段階に合わせた資料の選定や、読み聞かせ会などの行事を企画・運営します。また、地域の歴史や文化を伝える貴重な資料を集め、保存する地域資料司書は、地域の宝を守る大切な役割を担います。このように専門性を高めることで、より専門性の高い仕事に携わり、自分の得意分野を活かすことができます

図書館司書として働く場合、公共図書館であれば地方公務員として採用されることが多く、昇任試験を受けて管理職を目指すことができます。大学図書館では職員として採用され、経験に応じて昇格していくのが一般的です。他にも、特定の分野に特化した専門図書館や企業の図書館などで働く道もあります。企業の図書館では、そこで働く人たちに必要な情報を提供することで、企業の活動を支えます。

キャリアアップの道筋は様々ですが、どの道を選ぶにしても、日々の業務を通して経験を積み、必要な知識や技能を身につけることが重要です。読書案内やレファレンスサービス、資料の収集や整理など、一つ一つの仕事を丁寧に行い、利用者のニーズに応えることで、司書としての能力を高め、キャリアアップにつなげることができます。

キャリアアップの道筋

転職と求められる人材

転職と求められる人材

図書館司書という仕事は、転職を考える際に、色々な選択肢があります。たとえば、これまで勤めていた公共図書館や大学図書館といった組織の中で部署を異動することも一つです。他にも、民間の図書館や情報を取り扱う企業などに移ることも視野に入れられます。近年、図書館の在り方は大きく変化しており、書物を管理するだけでなく、情報をデジタル化して整理したり、利用しやすくしたりといった仕事が増えてきました。そのため、計算機を扱う技術に長けた人材は、どの図書館でも必要とされています。特に、情報をデータベース化して管理する技術や、デジタル資料を保管・活用するための仕組みを作る知識や経験は、転職活動で有利に働きます。

もちろん、人と接する仕事ですので、人と円滑に意思疎通をはかる能力や、情報を読み解く力も欠かせません。加えて、新しい企画を考え出す力や、物事をうまく管理する力も高く評価されます。図書館を取り巻く状況は常に変化しているので、新しい利用方法を考えたり、提供したりする必要があります。

変化に柔軟に対応できる力や、問題を解決する力も、これからの図書館司書には不可欠です。たとえば、利用者のニーズを的確に捉え、それに見合ったサービスを提供するためには、社会の変化や技術の進歩を常に把握し、新しい知識や技術を積極的に学ぶ姿勢が重要です。常に最新の情報を集め、自分の能力を高める努力をすることが、転職を成功させるための大切な鍵となるでしょう。

スキル・能力 転職先での有利な点
計算機を扱う技術、情報データベース化、デジタル資料管理 どの図書館でも必要とされる人材
円滑な意思疎通能力、情報を読み解く力 人と接する仕事で必須
企画力、物事管理能力 高く評価される
変化への対応力、問題解決能力 これからの図書館司書に不可欠
最新情報収集、自己研鑽 転職成功の鍵

図書館司書のやりがい

図書館司書のやりがい

図書館司書は、人々の知的な探求心を支え、学びや調べものを助ける仕事です。そのやりがいは、様々な形で感じられます。

まず、利用者の方が探し求める資料を見つけ、提供できた時の喜びは格別です。「ありがとう」の言葉をかけていただいたり、笑顔を見せてもらえたりする度に、この仕事の意義を実感できます。利用者の方のニーズを的確に捉え、必要な情報を提供することで、感謝され、信頼関係を築けることは大きなやりがいです。

また、図書館は単に本を貸し出すだけの場所ではありません。読書会や講演会、展示会など、様々な催しを通して地域社会に貢献しています。これらの企画・運営に携わることで、地域の方々と交流し、地域文化の振興に貢献できることは、図書館司書ならではのやりがいと言えるでしょう。特に、子どもたちに向けた読み聞かせ会や読書教室などを開催し、読書の楽しさを伝えることで、未来を担う子どもたちの成長をサポートできることは、大きな喜びです。

さらに、図書館はあらゆる世代の人々が集い、学び、交流する場です。赤ちゃんから高齢者まで、様々な背景を持つ人々が訪れ、それぞれの目的で図書館を利用しています。図書館司書は、読書相談や調べもののサポートを通して、一人ひとりのニーズに応じたサービスを提供し、人々の成長を支える役割を担っています。

このように、図書館司書は、知識や情報を提供するだけでなく、人々の心に寄り添い、人生を豊かにするお手伝いができる、大変やりがいのある仕事です。地域社会に貢献したい、人々の成長を支えたいという思いを持つ方にとって、図書館司書は最適な職業と言えるでしょう。

図書館司書のやりがい 詳細
利用者支援 利用者のニーズを捉え、必要な情報を提供することで、感謝され、信頼関係を築ける。
地域社会への貢献 読書会や講演会、展示会などの企画・運営を通して、地域文化の振興に貢献できる。特に、子どもたちに向けたイベントを通して、未来を担う子どもたちの成長をサポートできる。
人々の成長支援 読書相談や調べもののサポートを通して、一人ひとりのニーズに応じたサービスを提供し、人々の成長を支える役割を担う。
知識と心の提供 知識や情報を提供するだけでなく、人々の心に寄り添い、人生を豊かにするお手伝いができる。