旋盤工とは、金属の棒材などを回転させ、そこに刃物を当てて削ることで、様々な形の部品を作り出す仕事です。製品の核となる部分を担う、モノづくりの現場では欠かせない存在と言えます。特に近年需要が高まっているのが、コンピューター制御の旋盤、いわゆるNC旋盤を使うNC旋盤工です。NC旋盤工の仕事は、まず設計図面を理解することから始まります。図面を読み解き、製作する部品の形状や寸法、精度などを正確に把握することが重要です。次に、その部品を作るために必要な材料を選び、旋盤にセットします。材料は金属だけでなく、樹脂やプラスチックなど様々です。NC旋盤はコンピューター制御されているため、加工の手順をプログラミングする必要があります。このプログラム作成こそがNC旋盤工の腕の見せ所と言えるでしょう。適切な工具を選び、回転速度や送り速度など、加工条件を緻密に設定することで、高精度な部品を作り出すことができます。材料の硬さや加工の難易度によって、最適な工具と条件は異なります。豊富な経験と知識が求められる工程です。プログラムを入力し加工が始まったら、作業中は常に機械の状態や加工状況を監視し、異常がないかを確認することが大切です。工具の摩耗や破損、部品の寸法誤差など、少しでも異変があればすぐに対応しなければなりません。加工が終わったら、完成した部品が設計図面通りに仕上がっているか、寸法や形状、表面の仕上げなどを細かくチェックします。ノギスやマイクロメーターなどの測定器を使って、ミクロン単位の精度で確認を行います。また、製品によっては、見た目ではわからない内部の欠陥を検査する必要もあります。このように、NC旋盤工は、単に機械を操作するだけでなく、図面を読み解く力、プログラムを作る力、品質を見極める力など、様々なスキルが求められる、やりがいのある仕事です。そして、常に新しい技術や知識を学ぶ意欲も大切です。技術革新のスピードが速い現代において、新しい機械や加工方法が登場することもあります。常に学び続けることで、より高度な技術を習得し、より精密で複雑な部品を作り出すことができるようになります。