秘書のキャリアパス:可能性を広げる道
転職の質問
『秘書』になるには、どうすればいいのでしょうか?
転職研究家
いい質問ですね。秘書になるには、大きく分けて二つの道があります。一つは、短大や専門学校などで秘書としての専門的な勉強をしてから企業などに就職する道。もう一つは、一般事務など他の職種で働きながら、秘書の仕事に必要な知識や技能を身につけて、秘書に転職する道です。
転職の質問
専門学校で学ぶのと、働きながら学ぶのとでは、どちらが良いのでしょうか?
転職研究家
それぞれに利点があります。専門学校では集中的に学べるので、秘書としての基礎知識や技能を効率よく習得できます。働きながら学ぶ場合は、実務経験を積みながら徐々にステップアップできるので、実践的な能力を養うことができます。どちらを選ぶかは、あなたの学習スタイルやキャリアプランに合わせて考えるのが良いでしょう。
秘書
- 秘書の主な仕事内容
- 秘書の仕事は、社長や重役など、経営組織の役員の傍らで、日常の身辺処理やこまごまとした用事を引き受けていくというのが仕事内容になります。秘書は、役員の目となり耳となり、手足となってその仕事を助けています。秘書の仕事を大きく分けると、「社内外との連絡・応対業務」「文書の作成、受発注管理」「資料や情報の収集、整理、管理」「スケジュール表の作成」「その他の用務」となります。近年はわが国でも、欧米のように短大や専門学校で専門の秘書教育を受けて、企業、団体に入職して秘書室に配属される人が増えています。
- 秘書になるには
- 秘書業務に関する基礎的な知識、技能を身につけたいなら、短大や専門学校などで秘書概論、秘書実務、レコードマネージメント、秘書英語、会計事務、商業英語などの秘書に関連した科目を習得した方がよいでしょう。秘書技能を向上させるために、多くの人が「秘書技能検定(1級~3級)」「国際秘書検定(CBS)」などの検定試験にも挑戦しています。実際の秘書業務の遂行の仕方は、各企業によって異なります。外資系企業などにおいては、高度の語学力や実務能力などが求められます。
秘書の仕事内容
事務方の要として、経営者や役員、部署の責任者を支えるのが秘書の仕事です。日々の業務は多岐に渡り、スケジュール調整や電話応対、来客対応といった基本的な業務に加え、資料作成や情報管理、会議の準備や議事録作成なども行います。
まず、スケジュール管理では、上司の予定を把握し、会議や出張の手配を行います。急な予定変更にも柔軟に対応し、常に最適なスケジュールを組む調整力が求められます。電話応対では、会社の代表として丁寧かつ的確に対応し、相手への印象を左右する重要な役割を担います。来客対応では、笑顔で丁寧な応対を心掛け、お客様を気持ちよく迎え入れることが大切です。
加えて、近年では秘書の役割も高度化しています。経営戦略や事業計画といった重要な会議に同席し、議事録を作成するだけでなく、自ら資料を作成し、提案を行うなど、経営層を支える重要な役割を担う場面も増えています。そのため、常に最新の情報を把握し、ビジネス環境の変化に対応していく柔軟性も必要とされます。
秘書は、上司の意図を汲み取り、的確な判断と行動で業務をサポートすることで、組織全体のパフォーマンス向上に貢献します。また、機密情報を適切に扱う倫理観や、社内外の人々と円滑なコミュニケーションを築くための高いコミュニケーション能力も求められます。会社の顔として、そして上司の右腕として、組織を支える重要な役割を担っていると言えるでしょう。
業務内容 | 詳細 | 求められる能力 |
---|---|---|
スケジュール管理 | 上司の予定把握、会議・出張の手配、急な予定変更への対応 | 調整力 |
電話応対 | 会社の代表として丁寧かつ的確な対応 | 丁寧さ、的確な対応力 |
来客対応 | 笑顔で丁寧な応対、お客様を気持ちよく迎え入れる | 丁寧さ、ホスピタリティ |
資料作成・提案 | 会議資料作成、提案、経営層のサポート | 情報収集力、分析力、提案力 |
情報管理 | 最新の情報の把握、ビジネス環境の変化への対応 | 情報感度、柔軟性 |
会議の準備・議事録作成 | 会議の準備、議事録作成 | 準備力、議事録作成能力 |
機密情報管理 | 機密情報の適切な取り扱い | 倫理観、守秘義務 |
コミュニケーション | 社内外の人々との円滑なコミュニケーション | コミュニケーション能力 |
一般的なキャリアパス
事務職の代表とも言える秘書の仕事は、経験と能力に応じて段階的に進んでいくのが一般的です。新卒で入社した場合、まずは一般秘書として働き始めます。電話対応や来客対応、スケジュール管理といった基本的な業務を覚えることから始まります。書類作成やファイリング、部署内での簡単な事務作業なども担当します。これらの業務を通じて、社会人としての基礎や事務処理能力を身につけます。
数年間、一般秘書として経験を積むと、徐々に仕事の幅が広がっていきます。上司の担当業務に合わせた専門知識や技能を学び、より高度な仕事を任されるようになります。例えば、経営企画に関連する資料作りや、海外の取引先との連絡調整といった業務です。また、会議や出張の手配、経費処理なども担当するようになります。これらの業務を通じて、専門性を高め、管理能力や調整能力を磨いていきます。
さらに経験を積み重ねると、役員秘書や専門秘書といった上の立場を目指せます。役員秘書は、会社の経営層を直接支える重要な役割を担います。経営会議の準備や議事録作成、役員の出張手配やスケジュール管理など、会社の意思決定に深く関わる業務を担当します。高いコミュニケーション能力や守秘義務の意識が求められます。
専門秘書は、特定の分野に特化した専門知識を生かして、高度な専門業務を担当します。例えば、法律に詳しい法務秘書や、広報活動に携わる広報秘書などです。専門秘書になるには、それぞれの分野における専門知識や資格が必要となる場合もあります。どの道を選ぶにしても、秘書の仕事は、常に学び続け、能力を高めていくことが大切です。会社の成長を支える重要な役割を担うという責任感と、向上心を持って仕事に取り組むことで、やりがいを感じられるでしょう。
段階 | 職種 | 主な業務 | 求められる能力 |
---|---|---|---|
1 | 一般秘書 | 電話対応、来客対応、スケジュール管理、書類作成、ファイリング、部署内での簡単な事務作業 | 社会人としての基礎、事務処理能力 |
2 | 経験を積んだ一般秘書 | 上司の担当業務に合わせた専門知識や技能を活かした高度な仕事(経営企画資料作成、海外取引先との連絡調整、会議・出張手配、経費処理など) | 専門性、管理能力、調整能力 |
3 | 役員秘書 | 経営会議の準備、議事録作成、役員の出張手配、スケジュール管理 | 高いコミュニケーション能力、守秘義務の意識 |
4 | 専門秘書 | 特定の分野に特化した専門業務(例: 法務、広報) | 専門知識、資格(場合による) |
転職のポイント
事務職、とりわけ秘書業務からの転職を考える時、これまでの経験や培ってきた能力を最大限に活かせる職場選びが成功の鍵となります。秘書として働いてきた中で、特定の業界に携わってきた経験は大きな強みです。その業界に精通した知識や人脈は、転職活動において他の応募者と差をつける武器となります。例えば、医療業界で秘書として働いていた方は、医療系の企業や団体に転職することで、これまでの経験を活かし、即戦力として活躍できる可能性が高まります。また、金融業界で秘書を務めていた方は、金融機関への転職が有利になるでしょう。業界経験に加えて、語学力や専門知識といったスキルは、転職の選択肢を広げる上で重要です。ビジネスレベルの英語力や、特定のソフトウェアを使いこなせるスキルは、多くの企業で求められています。これらのスキルを磨くことで、より多くの求人に応募でき、希望する条件に合った仕事を見つけやすくなります。転職活動では、自分の強みを的確に伝える力が重要です。職務経歴書や面接では、これまでの経験で培ってきた能力や実績、仕事に対する熱意を具体的に説明することで、採用担当者に良い印象を与えられます。例えば、数百人規模の会議を滞りなく運営した経験や、上司の業務効率化に貢献した事例などを具体的に説明することで、自分の能力を効果的にアピールできます。さらに、企業の考え方や職場の雰囲気との相性も、転職成功には欠かせない要素です。面接の場で積極的に質問したり、企業のウェブサイトや社員のブログなどを参考にしたりすることで、企業風土や社内環境を事前に調べておきましょう。入社後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためにも、企業研究を入念に行い、自分と相性の良い職場を見つけることが大切です。企業との相性をしっかりと見極めることで、長く働き続けられる職場に出会える可能性が高まります。
転職成功のポイント | 詳細 |
---|---|
経験・能力の活用 | これまでの経験、特に業界経験を活かせる職場選びが重要。医療業界出身者は医療系企業、金融業界出身者は金融機関への転職が有利。 |
スキルアップ | 語学力や専門知識などのスキルは転職の選択肢を広げる。ビジネスレベルの英語力や特定のソフトウェアスキルは多くの企業で需要あり。 |
自己PR力 | 職務経歴書や面接で自分の強みを具体的に伝える。会議運営、業務効率化への貢献など、実績をアピール。 |
企業研究と相性 | 企業の考え方や職場の雰囲気との相性を確認。面接での質問、企業ウェブサイト、社員ブログなどで企業風土や社内環境を事前に調査。 |
キャリアアップのための資格
事務員としてさらに上の仕事を目指すには、資格を取ることが有効な方法の一つです。資格は自分の能力を客観的に示す良い材料となります。数ある資格の中でも、事務技能検定は、事務員としての基本的な知識や技能を持っていることを証明する資格として広く知られています。この資格を持っていることで、周囲からの評価も高まり、責任ある仕事を任せてもらえる可能性も高まります。
また、英語を使う仕事で活躍したいのであれば、英語の資格取得は欠かせません。英語能力を測る資格として有名なものには、TOEICや実用英語技能検定などがあります。これらの資格は、世界中で広く認められているため、履歴書に書いてアピールすれば、採用担当者に良い印象を与えられるでしょう。さらに、英語の資格を持っていることで、海外の取引先とのやり取りや、海外出張などの機会にも恵まれる可能性があります。日頃から英語の勉強を続け、目標とするスコアを目指して努力することで、着実に英語力を高めることができます。
加えて、パソコンの技能に関する資格も、事務の仕事をする上で非常に重要です。表計算ソフトや文書作成ソフトを使いこなせる能力は、仕事の効率を上げるために必要不可欠です。マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)のようなパソコン技能に関する資格を取得すれば、パソコンの操作に慣れていることを証明できます。これらの資格は、就職活動だけでなく、今の仕事で昇進を目指す際にも役立ちます。
自分に必要な資格を見極めて、計画的に勉強を進めることが重要です。資格の勉強を通して新たな知識や技能を身につけることは、自分自身の成長にも繋がります。目標を持って努力することで、仕事の幅を広げ、キャリアアップを実現できるでしょう。資格取得は、自分の可能性を広げるための投資と言えるでしょう。
資格の種類 | 効果 | 具体的な資格 |
---|---|---|
事務系資格 | 事務能力の証明、周囲からの評価向上、責任ある仕事へのチャンス | 事務技能検定 |
英語資格 | 国際的な活躍、採用担当者への好印象、海外取引・出張の機会 | TOEIC、実用英語技能検定 |
パソコン系資格 | 仕事の効率向上、パソコン操作能力の証明、昇進への有利 | マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS) |
将来の展望
秘書の仕事は、時代の流れとともに大きく変わってきています。近年の技術革新、特に人工知能の発達は、これまで秘書が行ってきた単純な事務作業を自動化できるようになりました。そのため、今後は、書類作成やスケジュール管理といった定型業務だけでなく、より高度な業務が求められるようになっていくでしょう。
これからの秘書は、変化の波に乗り遅れないよう、常に新しい知識や技術を学び続ける必要があります。例えば、情報通信技術に関する知識や、様々な情報をまとめて分析する能力、そして、多様な関係者と円滑な意思疎通をはかるコミュニケーション能力などが重要になります。また、企業の経営戦略や事業計画といった、経営層の意思決定に関わる場面で、積極的に自分の意見や提案を述べることができれば、秘書という立場でありながらも、会社の中枢で活躍できる可能性が広がります。
秘書の仕事で培った経験は、他の職種でも大いに役立ちます。例えば、多くの人と接することで磨かれるコミュニケーション能力や、調整能力、そして、機密情報を扱う際に必要となる高い倫理観などは、人事や広報、経営企画といった部署で力を発揮できるでしょう。秘書として培った経験を土台に、他部署への異動や転職といったキャリアチェンジも積極的に検討することで、自分の可能性を広げることができます。
将来を見据えて、秘書としてどのようなキャリアを歩んでいきたいのか、具体的な目標を設定することが重要です。目標達成のために必要なスキルや経験を明確にし、計画的にキャリアを築いていくことで、変化の激しい時代の中でも、自信を持って未来を切り開いていくことができるでしょう。学ぶ姿勢を持ち続け、成長を続けることが、秘書としての成功の鍵となるはずです。
項目 | 内容 |
---|---|
秘書の仕事の変化 | AIによる単純作業の自動化に伴い、高度な業務が求められるようになる。 |
求められる能力 | 情報通信技術に関する知識、情報分析能力、コミュニケーション能力、経営層への提案力など |
秘書の経験の活用 | コミュニケーション能力、調整能力、高い倫理観は、人事、広報、経営企画などで役立つ。 |
キャリア形成 | 具体的な目標設定、必要なスキル・経験の明確化、計画的なキャリア形成が重要。 |