
複式簿記でキャリアアップ
商売のお金の流れを記録して、会社の状態を把握するための方法として、複式簿記というものがあります。これは、どんなお金の動きにも必ず二つの面があるという考え方を使っています。例えば、商品が売れたら、手元のお金は増えますが、倉庫にある商品は減ります。また、銀行からお金を借りたら、手元のお金は増えますが、返す義務のある借金も増えます。このように、一つの出来事には必ず二つの影響があります。
複式簿記では、この二つの影響を「借方」と「貸方」に分けて記録します。売上の例で言えば、手元のお金が増えるのを「借方」に、商品が減るのを「貸方」に記録します。借金の場合は、手元のお金が増えるのを「借方」に、借金が増えるのを「貸方」に記録します。このように、常に二つの面を同時に記録することで、会社の財務状態を正しく把握することができるのです。
複式簿記では、会社の財産(資産)、借金(負債)、元手(資本)、売上(収益)、経費(費用)といったお金にまつわる情報の増減を全て記録します。これにより、会社の経営状態を細かく分析することができます。例えば、売上が増えていても、経費も同時に増えていたら、利益はそれほど出ていないかもしれません。複式簿記を使うことで、こうした細かい分析が可能になるのです。
さらに、複式簿記は不正を防ぐ効果もあります。全ての取引は借方と貸方に記録され、帳簿は常にバランスが取れている状態になります。もし帳簿のバランスが崩れていたら、記録に誤りがあるか、不正が行われている可能性があります。複式簿記は、会社の財産を守る上でも重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
複式簿記は、会社の経営を理解する上で基本となる考え方です。この仕組みを理解することで、会社の活動全体をより深く理解できるようになります。